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お肌のはなし ~ エイジングケアを始める時に~

シミ、小ジワ、くすみ、タルミ。最近、気になりだしたお肌の衰え。
そろそろエイジングケアの始めどきなのかしら?
と思うことありませんか?

エイジングケアとは年齢に応じたケアのことですので、
この年齢に届いてからでないと・・・というものでもありません。
むしろ、気になりだしたその時こそがはじめるタイミング。

ただし、やみくもに始めても期待通りにならないことも。
まずは、しっかりとエイジングケアのポイントを理解することが大切です。

INDEX

意識すること・その1 自身の持つ本来の肌力

美肌のためには、お肌が健康であることが欠かせません。そのために必要なのは、お肌のメカニズムについて正しく知ること。正しい知識を持つことは健康な美肌への近道です。
特に「肌の代謝(ターンオーバー)」について正しく知ることは、エイジングケアはもとよりすべてのスキンケアにとっての基本。
年齢に応じたスムーズなターンオーバーを維持し、自身の肌の健康へとつなげていく。エイジングケア成功のために、このことをしっかり意識しておくようにしましょう。

ターンオーバーとは・・・

ターンオーバーとは肌の代謝のことです。つまり、お肌の生まれ変わりのこと。肌細胞は、肌の一番内側で生まれ、一定の期間を経て表面のほうへと押し上げられてきます。そして、いちばん外側が寿命を終え垢として剥がれ落ちると、その下に待機していた肌細胞が表面に現れてくるのです。したがって、皆さんの目に映っている肌は、生まれた直後のものではなく、生まれてから一定期間を経過した肌細胞の姿なのです。

この周期は一般的に28日と言われていますが、これは20代の場合。
実際は年齢によっても差があり、年代別に見てみると次のとおりです。
赤ちゃんの肌がすべすべ、ぷにゅぷにゅなのは、肌細胞が生まれてから14日しか経っていないからなんですね。

年齢別ターンオーバーサイクル

年齢別ターンオーバーサイクル

ターンオーバーが不活性になると、かかる日数が長くなります。
肌表面の細胞(つまり目に映る細胞)は、ターン―オーバー最終段階の古く老化した細胞ですので、日数が長くかかるということは、細胞がさらに老化しているということ。当然、実際の年齢以上に老け顔になってしまうのです。

エイジングケアを始めるにあたり、自身の持つ本来の肌力(特にターンオーバーの活性・維持)を意識した毎日のケアが大切になってくるということが、理解いただけましたでしょうか?

意識すること・その2 スキンケアが効果を発揮できる肌の土台づくり
(有効な美容成分を受け入れやすい肌づくり)

エイジングケア用の美容化粧品にはさまざまな種類のものがあり、エイジングケアにとって有効な美容成分が配合されています。
しかしながら、せっかく有効な美容成分が配合されていても、自身の肌がそれら成分をしっかりと受け入れてくれなければ、期待していた結果にはなりません。
例えば、角質が硬くなったかかとを想像してみてください。このかかとに、美容液を塗ったとしても、浸透していくと想像できるでしょうか?
かかとの皮膚が硬いのは、ターンオーバーの周期が、顔の肌の4倍の期間がかるから。
20代の場合、顔ならば28日のところかかとは120日。ターンオーバーが不活性になり、そのサイクルが長くなってしまうとどんな肌になってしまうか?こういうことからも想像いただけると思います。
このように前述のターンオーバーを整えることは、スキンケアが効果を発揮できる肌環境づくりの点からも大切だということがわかります。

またよくあるケースとしては、しっかりと洗顔・クレンジングしたつもりでも、化粧品や剥がれ落ちるべき古い角質が残留したままという場合です。
このような場合、肌表面に残る残留物が邪魔をして、有効な美容成分の浸透を妨げるということになってしまっています。
この対策は、正しい洗顔としっかりと汚れを落とすことのできる洗顔料やクレンジングを選ぶことです。
この際、お肌に優しいタイプを選ぶことが基本ですが、お肌のpH(ペーハー)に合わせた弱酸性タイプのものではなく、弱アルカリ性タイプのものを選ぶことをオススメします。
洗顔・クレンジング時は、弱アルカリ性タイプの場合のほうが、お肌の持つ「アルカリ中和能」という働きを期待でき、ターンオーバーの活性化のサポートにもなるからです。

→ 「ターンオーバー」および「弱酸性・弱アルカリ性」については、以下の記事も併せてご参照ください。
肌本来のチカラ「肌力」を活かしサポートするスキンケア法「夜だけ美容断食」
お肌のはなし ~弱酸性と弱アルカリ性のスキンケアアイテム~

意識すること・その3 自分に必要なスキンケアアイテム選び

エイジングの悩みには、「肌のキメ シワ ハリ たるみ」といった質感的なものと、「シミ くすみ(老人性色素班)」といった色素系に起因するものに大別されます。
ここでは「肌のキメ シワ ハリ たるみ」という質感的なエイジングの悩みに対応するスキンケアアイテムに絞り説明いたします。

これら、エイジングケア用のスキンケアアイテムには、主なものとして以下の3つのケアのタイプがあります。

  1. 1)加齢に伴い減ってしまった「肌を組成する成分」を補うケア
  2. 2)肌老化の原因となる要素(活性酸素)から防御するケア
  3. 3)加齢に伴い衰えてしまった肌細胞自身を育てるケア

1)加齢に伴い減ってしまった「肌を組成する成分」を補うケアのタイプ

コラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチンなどの成分が含まれている美容液やクリームがこのタイプにあたります。
これらの成分は加齢に伴い、減少・変形したりしますので、これらを補うことをエイジングケアの目的としています。

年齢とともに減少する三大美容成分(コラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチン)
  • ピーク時を100とした相対値
  • 【コラーゲン】

    皮膚内部の真皮層にある線維芽細胞により合成されますが、加齢にともない合成する力が衰え、量が減少。また、コラーゲン自体も劣化していきます。

  • 【ヒアルロン酸】

    自身の質量の6000倍の水分を抱え込むとされており、乾燥を防ぎ潤いを生みだします。また、コラーゲンとエラスチンの間の肌の隙間を埋め、コラーゲンとエラスチンによる柔軟性と弾力性を支えてくれます。

  • 【エラスチン】

    弾力に優れた繊維状のタンパク質。コラーゲン繊維をゴムのように束ね結びつけています。25歳頃をピークに年齢とともにゆるやかに減少、壊れてしまったエラスチンが再生することはないとされています。

2)肌老化の原因となる要素(活性酸素)から防御するケアのタイプ

フラーレンが成分に含まれている美容液やクリームがこのタイプにあたります。
フラーレンは、老化の要因となる活性酸素を除去する力が高い成分です。半分に切ったリンゴをそのまま放置しておくと切った断面が次第に茶色く変色してきますが、これが活性酸素による細胞への影響です。

フラーレンを配合した美容液や美容クリームは、肌老化の原因のもとを除去することをエイジングケアの目的としています。

3)加齢に伴い衰えてしまった肌細胞自身を育てるケアのタイプ

一般的に幹細胞コスメと呼ばれている美容液やクリームがこのタイプにあたります。実際に幹細胞が成分として配合されているのではなく、幹細胞を培養した際の培養液が配合されています。培養液には多くの成長因子と細胞を活性を促す成分が含まれています。
幹細胞コスメは、加齢に伴い衰えてしまった肌細胞自身の活性を促すことをエイジングケアの目的としています。

幹細胞には大きく分けて「植物由来」「動物由来」「ヒト由来」の3つの種類がありますが、現在日本で販売されている主な幹細胞エキス配合コスメは「植物幹細胞由来」「ヒト幹細胞由来」になります。
また、ヒト幹細胞由来のなかにも臍帯血由来、脂肪由来、歯骨由来といった違いがあり、臍帯血由来が、培養する細胞自体が若くポテンシャルの高い成長因子などの有用な成分の含有量が多いとされています。

エイジングケアのコスメにも、「減ってしまった成分の補充」「老化に影響のある物質の除去」「細胞自体の活性化刺激」といったアプローチの違いがあることがおわかりになりましたでしょうか?

これからエイジングケアを始めようという方だけでなく、すでにエイジングケアに気をつけておられる方も、以上のようなことを意識いただき、これからのエイジングケアにお役立てください。

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