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お肌のはなし ~ クレンジングの種類と洗浄力、正しい選び方について ~

クレンジングには、ジェルタイプやクリームタイプ、ふき取りタイプなど、様々な種類がありますが、洗浄力が高いのはオイルタイプやバームタイプです。クレンジングの種類による洗浄力の違いから、肌への負担、おすすめの肌タイプまでまとめました。クレンジングの正しい選び方も解説します。

クレンジングの洗浄力は種類によって違う

クレンジングには様々な種類のものがありますが、種類により洗浄力に違いがあります。
一般的に、洗浄力が高いものほど肌への負担は増し、逆に、肌への優しさを求めると洗浄力が弱くなる傾向にあります。

クレンジングの種類と特徴

  1. 1)クレンジングオイル

    クレンジングオイルには、洗浄力が高くなじみが早く濃いメイクでもしっかりと落とせ、肌との摩擦が少なく洗えるという特長があります。一方、油性成分で汚れを落とすという特性があるため、水と油を混ぜ合わせるための成分としてクレンジングオイルには界面活性剤が多めに配合されています。そのために肌への負担は強くなりがちで、肌の負担が気になる人は、使用時に適量を守り時間をあまりかけず、なるべく短い時間で効率よく落とすことを心がけることが大切です

    ■洗浄力
    かなり高い(メイクも同じ油分ということもあり濃いメイクでもしっかり落とせます。またメイクに限らず皮脂なども油分の汚れであるため、皮脂が酸化して固まった毛穴の角栓汚れなどにも適しています。)
    ■肌への負担
    やや強め~強め(ごしごしこすらなくても良いという点では肌への負担は少ないものの、界面活性剤の配合量が多めのため、肌への負担が強くなっています。敏感肌・乾燥肌・ニキビ肌など、肌にトラブルを抱えている人は避けるほうが無難です。)
    ■おすすめの肌タイプ
    オイリー肌、普通肌(肌の強い人、しっかりメイクをされる人、毛穴の皮脂汚れが気になる人。)
  2. 2)クレンジングバーム

    クレンジングバームは、クレンジングオイルを固形(半固形)にしたものです。常温では半固形状ですが、肌に乗せると溶けてオイル状になるため肌への摩擦は少なく、クレンジングオイルと同様に油分を多く含むため、メイクをしっかりと落とす洗浄力があります。また、オイルに比べて肌の上にとどまりやすく、使いやすいのも特徴です。

    ■洗浄力
    中~高い(クレンジングオイルと同様、油分ですので、同じ油分であるメイクを落とすことには適しています。)
    ■肌への負担
    やや強め~強め (クレンジングオイルと同様、界面活性剤の配合量が多めのため)
    ■おすすめの肌タイプ
    オイリー肌、普通肌
  3. 3)クレンジングシート

    クレンジングシートはクレンジング剤が染み込んだシートで拭き取るように使用します。時間が無いときでもサッと使え洗い流す必要がない手軽さがメリットです。ただし、拭き取る摩擦がお肌に刺激となるため肌への負担は強めになります。染みこませたクレンジング剤は、オイルタイプやリキッドタイプはじめ様々な種類があるため、どのタイプのクレンジング剤を使用しているかをチェックするようにしましょう。また、使用時のシートで拭き取りの際、摩擦で肌に負担がかかるため、シートの素材についてもチェックするようにしましょう。シートの素材にはコットンやマイクロファイバーなどが使われています。

    ■洗浄力
    ■肌への負担
    強め(使用時、肌をこするため)
    ■おすすめの肌タイプ
    オイリー肌、普通肌(しっかりメイクをされる人、手軽さを優先したい人。)
  4. 4)クレンジングジェル

    クレンジングジェルは、とろっとしたテクスチャーで摩擦による肌ダメージを与えることのない優しい使い心地でメイクを落とすことができます。水性タイプと油性タイプがあり、水性タイプにはオイルフリー水性ジェル、オイルイン水性ジェルがあります。水性タイプは肌に優しくさっぱりした使い心地で、敏感肌や乾燥肌の方にも使いやすいのが特長です。一方、油性タイプは油分が多く界面活性剤が多く配合されているため洗浄力が高い分、肌への負担は強めになっています。

    ■洗浄力
    中(水性タイプの場合) 中~高い(油性タイプの場合)
    ■肌への負担
    中(水性タイプの場合) 強め(油性タイプの場合)
    ■おすすめの肌タイプ
    オイリー肌、混合肌、薄めのメイクの人、洗い上がりさっぱりを好む人、水性タイプの場合マツエク使用時可
  5. 5)クレンジングウォーター

    クレンジングウォーター(リキッドクレンジング)は、一般的に水分をベースにしており、オイルフリーですので使用感はさらっとした質感でさっぱりしています。また、界面活性剤の配合量は比較的少ないクレンジングです。洗浄力は中程度で、濃いメイクは落ちにくい場合があります。濡れた手でも使えるタイプが多いため、お風呂場でもクレンジングができ便利です。また、マツエクの接着部分を弱める影響も少ないため、マツエクが長持ちするというメリットもあります。

    ■洗浄力
    ■肌への負担
    中~強め(コットン使用時、摩擦による負担あり)
    ■おすすめの肌タイプ
    オイリー肌、混合肌(マツエク使用時可)
  6. 6)クレンジングクリーム

    クレンジングクリームはクリームタイプのクレンジングで洗浄力は比較的マイルドです。界面活性剤の配合量も比較的少なめですので肌への負担は抑えられています。なじませるうちにクリームがオイルへと変化するため、配合されているメインオイルにより洗い上がりに違いがあります。オイルの種類により肌質にも向き不向きがあるため自分に合ったオイルが配合されているものを選ぶことが大切です。

    ■洗浄力
    低い~中
    ■肌への負担
    やや弱め
    ■おすすめの肌タイプ
    <乾燥肌、敏感肌、薄めのメイクの人、しっとり仕上げたい人/dd>
  7. 7)ミルククレンジング

    ミルククレンジングは、乳液状のクレンジングで低刺激で肌にやさしい使い心地が特長です。界面活性剤の配合量は少なく肌への負担が少ないため敏感肌や乾燥肌の人も安心して使えます。クレンジング力は弱めですので、ポイントメイクやベースメイクも密着性の高いリキッドファンデーションなどのメイクなどの場合、完全に落ちきらない可能性もありますので、軽めのナチュラルメイクの人に適しています。

    ■洗浄力
    ■肌への負担
    弱め
    ■おすすめの肌タイプ
    乾燥肌、敏感肌、薄めのメイクの人、肌への優しさを優先する人、ニキビが気になる人
  8. 8)ポイントメイクリムーバー

    ポイントメイクリムーバーとは、ウォータープルーフのマスカラやアイシャドー、リップなどのポイントメイクを落とすことに特化したクレンジングのことです。リキッドタイプ、オイルタイプ、ジェルタイプ、ミルクタイプシートタイプと様々な種類があります。「落ちにくいポイントメイクを落とす専用」のクレンジングですので洗浄力は高めです。顔全体に使う場合、肌に負担をかけてしまいますのでポイントメイクのみでの使用にとどめておくことが必要です。

    ■洗浄力
    高い
    ■肌への負担
    強め(ポイントメイク部分への使用に限定)

ここまで、さまざまなクレンジングのタイプ別に洗浄力と肌への負担など違いについて特性をみてきました。その結果わかってきたことは、油分の配合が多ければメイクの油分を含んだ汚れにマッチするため洗浄力が強く、ただし、油分が多くなることで界面活性剤の配合量が増え肌への負担は強めになるということ。
そして一方で、肌への負担が軽いタイプの場合、肌には優しいものの洗浄力は弱めになってしまうということです。昨今では、洗浄力と肌への負担の軽減というそれぞれを兼ね備えたタイプも出てきてはいますが、基本はこのような原則を踏まえておくことが、選択の間違いを少なくします。

ただし、界面活性剤の配合量が少なく肌に優しそうだからといって、しっかりメイクを落とせないクレンジングを選んでしまうことは逆効果です。完全に落とそうとして肌を必要以上にこすったり、落とせないためにクレンジングに時間をかけてしまい、そのために肌が洗浄剤で刺激を受けている時間が長くなり、逆に負担が大きくなってしまうこともあるからです。
そのため自分の肌質、メイクのタイプとクレンジング特性をしっかり理解し、最適なバランスを意識して自分にあったクレンジングを選ぶようにしましょう。

クレンジングの選び方

クレンジングの選び方ですが、「自分は何を優先するか?」ということのイメージをはっきりと持つことが大切です。それがないと、満足のいくクレンジングになかなか出会えないということになってしまうことも。特に肌質や普段のメイクスタイルにより、人によって優先順位に違いが現れます。まずは、次の3つの選択基準に、自分にとっての優先順位をつけてみましょう。

  1. 1)肌質によって選ぶ
  2. 2)普段のメイクによって選ぶ
  3. 3)使いやすさで選ぶ

1)肌質によって選ぶ

肌のタイプは人によってそれぞれ。肌質のタイプによってはクレンジングを選ぶ基準の最優先項目になることも。ここでは以下の5つのタイプに分けて解説します。

■乾燥肌
乾燥肌の人は、肌の水分バランスが乱れている状態ですので、保湿の観点から、クレンジングクリーム、ミルククレンジングなどを選ぶと良いでしょう。逆に、クレンジングオイルやクレンジングジェルなどは乳化の過程で肌に必要な水分まで奪ってしまうこともあるため避けるのが無難です。
■脂性肌
脂性肌の人で、皮脂や汗の分泌が多くベタつきやテカリが気になる人は、皮脂までしっかり落とせるオイルの多く含んだタイプのクレンジングオイル、クレンジングバームを。洗い上がりがさっぱりを求める人はクレンジングウォーター(リキッドクレンジング)かクレンジングジェルを選ぶと良いでしょう。
■混合肌
混合肌の人は、ベタつきやテカリが気になる部分とカサつきが気になる部分とが混在しているため、選び方にも気遣いが必要です。肌の水分と油分を適度に保ちながらメイク汚れも落とすことが優先順位の高くなるため、油分の配合量が多くないタイプを選ぶことが無難です。クレンジングジェル、クレンジングクリーム、ミルククレンジングなどを選ぶと良いでしょう。
■普通肌
普通肌の人は、自分の好みのクレンジングを選んでも比較的、大丈夫です。洗顔後につっぱり感などもなければ、普段のメイク濃さやライフのスタイルに合わせて使いやすいクレンジングを選ぶと良いでしょう。
■敏感肌
敏感肌の人は、わずかな肌への負担でも刺激となりトラブルの引き金となってしまいますので、選び方にも細心の気遣いが必要です。過度な洗浄や摩擦などに気をつけ、ほどよい洗浄のタイプを選ぶようにしましょう。保湿も重要なポイントになりますので、クレンジングクリーム、ミルククレンジングなどを選ぶと良いでしょう。また、W洗顔不要のタイプはクレンジングと洗顔を一度に終わらせることができ、肌への負担を軽減できます。また敏感肌向け処方の特徴である「〇〇無添加」「〇〇フリー」というような特長のあるクレンジングを選ぶこともオススメです。

2)普段のメイクによって選ぶ

普段のメイクやスタイルは人によってそれぞれ。濃いメイク、ナチュラルメイク、まつげエクステの有無といった違いだけでなく、1日のうちにメイクをしている時間の長短も肌の負担に大きな影響が。しっかり落とせるタイプか、肌に優しいタイプか 普段のメイクによってのおすすめのクレンジングを解説します。

■しっかりメイク
一見しただけではわからなくとも、メイクが充分に落としきれずに肌表面に残留してしまう。普段、濃いめのメイクをしている人にはありがちなパターンです。肌表面のメイクの残留こそ、肌負担の最も大きな要因。しっかりとメイクを落とせるタイプのクレンジングを選ぶようにしましょう。メイク成分の油分とマッチした、油分が多く配合されているタイプであるオイルクレンジングやバームクレンジング、または洗浄力の高いクレンジングウォーター(リキッドクレンジング)などを選ぶと良いでしょう。
■ナチュラルメイク
ナチュラルメイクの人は、洗浄力がほどほどでも充分にメイクは落とせますので、肌に負担がかかり過ぎないものを選ぶようにしましょう。界面活性剤の配合量が多いオイルクレンジングなどは避けることが無難です。ジェルクレンジング、クリームクレンジング、ミルククレンジングなどを選ぶと良いでしょう。

3)使いやすさで選ぶ

普段の生活パターンも人によってそれぞれ。毎日が忙しく、夜になれば体は疲れ切ってクタクタ、メイク落としをせずにベッドに直行してしまいたい。
そんな人には手間のかからないタイプを選ぶことが最優先です。クレンジングをせずにベッドに入ることは、肌にとっては最もやってはいけないこと。(知らなかったかもしれませんが・・・)夜の就寝中は、肌の活動の排泄機能や分泌機能最も高まる時間帯ですので、その活動を妨げないために肌表面に何も乗っていない状態にすることが、スキンケアにとっての重要ポイント。
どんなに疲れていても就寝前には必ずメイクを落とす。このためには、手間のかからないということは優先順位が高い選択基準になってきます。

■ダブル洗顔不要
クレンジングでメイクを落とした後、洗顔をする。このクレンジング+洗顔がダブル洗顔です。クレンジングと洗顔では 落とす汚れに違いがあり クレンジングではメイクなどの油脂汚れや毛穴のつまりなどを、洗顔では汗や皮脂、古い角質、ほこりなどの水溶性の汚れと落とすことを目的としています。ダブル洗顔をしなくて良いということは、単純に時短になるため、手間を大きく省くことができます。
またダブル洗顔は、クレンジングよる洗浄に加え洗顔料による洗浄をしますので、肌の負担がかかります。ダブル洗顔不要のクレンジング剤を使用することにより、肌への負担を軽減できることもメリットです。
■濡れた手でも使える。(お風呂場でも使える)
クレンジングは、そのタイプにより濡れた手で使用すると効果が落ちるものがあります。濡れた手で使用しても効果が落ちないタイプであれば、お風呂場などでも安心して使用できるため、毎日、忙しい日々を過ごしている人にとっては手軽さが魅力になります。特に、クレンジングオイルなど油分を多く含んだタイプは、手が濡れていると手についた水とクレンジング剤がメイクをなじませる前に乳化してしまうため、メイクを落とす効果が薄まってしまいます。水ベースの場合、薄めすぎないかぎり、少量の水に濡れても効果が落ちることはありませんので、クレンジングウォーター(リキッドタイプ)やクレンジングジェル(オイルタイプではなく水性タイプ)を選ぶと良いでしょう。

一般的に、クレンジングは洗浄力が高いものほど肌への負担は増し、肌への優しさを求めると洗浄力が弱くまります。その違いは、油分の有無や配合量などにより、肌に負担のかかる界面活性剤を含む度合いなどに違いが出てくることが基本的なポイントです。そうした基本的な知識に加え、使用条件による洗浄力への影響、(例えば濡れた手での使用時など)のより詳しい知識を持つことで、自分にあったクレンジング選びに役立てましょう。

さいごに、自分にあったクレンジングに出会うためにはクレンジングについての知識も大切ですが、それと同等に大切なことは、自分の肌質、ライフスタイル等について理解を深めることが大切です。クレンジング選びの優先順位、肌質で選ぶのか?普段のメイクで選ぶのか?使いやすさで選ぶのか?この優先順位を間違えないことが、自分に合ったクレンジングに出会う第1歩になることでしょう。

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