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お肌のはなし ~ 朝と夜とで、スキンケアに違いはあるの? ~

スキンケアは、美しい肌を維持するために欠かせない習慣ですが、朝と夜で目的が異なり、それに応じたケアが求められます。朝と夜のスキンケアの違いを正しく知ることで、肌の健康を保ち、肌トラブルを防ぎ、美肌を目指すためのポイントを解説します。

朝と夜のスキンケアの違い

朝と夜ではスキンケアが変わります。それは、朝と夜とでは、スキンケアの目的が異なるためです。朝は、寝ている間にかいた汗や皮脂汚れを洗い流すことに加え、1日の始まりとして、紫外線や乾燥などの外的ダメージから肌を守る準備が主な目的となります。一方で夜は、1日の汚れをしっかりと落とし、肌の回復を重視したケアが求められます。

朝のスキンケアの目的

朝のスキンケアの目的の一つは、睡眠中に分泌された汗や皮脂、肌に付着した汚れを取り除き、肌を清潔に保つことです。さらに、肌の乾燥を防ぎ、しっかりと保湿することで、肌のバリア機能をサポートすることも重要です。また、紫外線など日中の外的刺激から肌を保護するために、UVケアも欠かせません。これらのケアを行うことで、肌トラブルを未然に防ぎ、健康で美しい肌を保つことが朝のスキンケアの大きな目的となります。また、こうしたケアは同時に、化粧ノリを良くするための大切な準備でもあります。

洗顔で、睡眠中に分泌された汗や皮脂、付着した汚れを落とし、肌を清潔な状態に整える

朝のスキンケアで夜寝ている間の汚れを落とすことは、肌を清潔に保つうえで欠かせません。睡眠中には汗や皮脂が分泌され、肌にホコリやチリが付着するため、それらを洗い流さないと肌トラブルの原因になることがあります。また、一般的に、夜のスキンケアで保湿ケアをする人が多いかと思われますが、夜に使用した美容液やクリームなどの油分が肌に残っていると、時間の経過とともに酸化し、肌の負担を増やす可能性があります。そのため、朝の洗顔でこれらの汚れや残留物をしっかり取り除くことで、肌をリセットし、健やかな状態を保つことが大切です。

保湿ケアで乾燥を防ぎ、日中の肌状態を良好に保つ肌環境を整える

健康的な美肌を維持するためには、肌の乾燥を防ぐことが大切です。特に日中は、日差しや空調などの影響で肌が乾燥しやすくなるため、朝のスキンケアでの保湿対策は欠かすことができません。

朝の保湿ケア:バリア機能の維持

肌には、外部からの刺激や異物の侵入を防ぎ、内部の水分を保つ「バリア機能」が備わっています。しかし、乾燥するとこの機能が低下し、紫外線やほこり、雑菌などの影響を受けやすくなります。その結果、肌荒れや炎症、赤みなどのトラブルが起こりやすくなります。こうしたトラブルを防ぐためにも、しっかり保湿して肌の潤いを保つことが大切です。

朝の保湿ケア:老化の進行を防ぐ

肌が乾燥すると、乾燥小じわと呼ばれる細かいしわができやすくなります。さらに、真皮層のコラーゲンやエラスチンが影響を受け、肌のハリや弾力性が低下し深いしわが刻まれる要因になります。若々しい肌を保つためには、十分な保湿で潤いを保つことが大切です。

朝の保湿ケア:肌の柔軟性を保つ

水分不足により肌が乾燥すると、表面が硬くなり、ゴワつきやカサつきが目立つようになります。適切に保湿をすることで、肌を柔らかく滑らかに保つことができます。

朝の保湿ケア:メイクのノリを良くするための肌準備

肌が潤っていると、メイクが均一にのりやすく、仕上がりが美しくなります。一方、乾燥しているとファンデーションが浮いたり、ムラになったりしやすくなります。

UVケアで紫外線の影響から肌を守る

朝のスキンケアでは、UVケアによる紫外線対策も大切です。紫外線にはUV-A(紫外線A波)とUV-B(紫外線B波)があり、UV-Aはシワやたるみ、肌の潤い低下といった老化を招く一因となります。一方、UV-Bは日焼けを引き起こし、シミの原因にもなります。日差しが強い日だけでなく、日中の室内でも紫外線の影響を受けるため、朝のスキンケアにUVケアを取り入れることがとても重要です。

朝のスキンケアの基本手順

朝のスキンケアは、肌を清潔に保ち、保湿で日中の肌コンディションを整えるとともに、紫外線から肌を守るUVケアを行うことを目的としています。これらのケアを適切に行うために、朝のスキンケアの基本的な手順を確認していきましょう。

1)洗顔

まず、ぬるま湯で顔を軽くすすぎ、表面の汚れを落とします。次に、洗顔料を適量手に取り、優しく洗いましょう。肌への負担を避けるため、ゴシゴシこするのは控え、特に皮脂が多いTゾーンやあご周りを丁寧にケアします。すすぎはぬるま湯を使い、髪の生え際や顎の下に洗い残しがないようしっかり行いましょう。仕上げにタオルで顔を優しく押さえ、余分な水分を取り除きます。

2)化粧水

洗顔後の肌は乾燥しやすいため、早めに化粧水で水分を補いましょう。適量を手やコットンに取り、頬や額からつけ始め、乾燥しやすい目元や口元は丁寧になじませます。つけた後、両手で顔を包み、人肌で温めると浸透力が高まります。必要に応じてブースターを使えば、化粧水やその後のスキンケア効果が向上します。肌に合った化粧水を選び、ベタつきが気になる場合は量を調整して使用しましょう。

3)美容液

美容液は化粧水の後に使用します。適量を手に取り、軽く体温で温めてから頬や額など広い部分になじませ、乾燥しやすい目元や口元には優しく押し込むようにケアします。美容液は、肌質や年齢、季節に合ったものを選ぶようにしましょう。朝に使用する場合は、紫外線対策成分を含むものを選ぶのも良いでしょう。また、冬など乾燥が気になる季節には、保湿力の高いタイプを検討しても良いかもしれません。また、乳液やクリームの前に使用し、製品ごとに推奨される使用順を守るようにしましょう。

4)クリーム

クリームは朝のスキンケアの仕上げに使い、肌にうるおいを閉じ込めて保護します。化粧水や美容液で整えた後、適量を手に取り、顔全体に薄く均一になじませましょう。乾燥しやすい箇所には優しく押し込むようにしてなじませ、皮脂の多い部分は控えめにとどめるのがポイントです。塗りすぎはメイク崩れの原因になるため、余分な油分はティッシュで軽く抑えましょう。

5)UVケア

朝のスキンケアでは、日中の紫外線から肌を守るために、UVケアが欠かせません。その際、紫外線防止効果のある美容液やファンデーションを取り入れるのも良い方法です。これらのアイテムは、スキンケアと紫外線対策を同時に行えるため、効率的に肌を保護しながら、忙しい朝でも手軽にケアできる点が魅力です。

夜のスキンケアの目的

夜のスキンケアの主な目的は、メイクや汚れをきちんと落とし、日中の肌のダメージから回復することです。昼間、紫外線や汚染物質、メイクが肌に影響を与えるため、クレンジングでそれらをきれいに取り除き、肌を解放して健やかに休ませることが重要です。

加えて、夜の睡眠中に肌が本来の機能を十分に発揮できる環境を整えることも夜のスキンケアでは大切です。夜は、肌が老廃物を排出したり皮脂を分泌したりして、肌健康を維持するために活発に働いているため、その働きを妨げないようにサポートすることが、美しい肌を保つための、非常に重要なポイントです。

メイクや汚れをきちんと落とし、日中の肌の負担から解放する

夜、肌表面の汚れを落とすことは、肌の健康を守るために非常に重要です。昼間、肌はメイクや、付着した空気中の汚染物質などによって覆われており、これが肌にストレスを与えています。肌表面に汚れが残されたまま放置することは、さまざまな肌トラブルの原因となります。クレンジングと洗顔で肌の汚れをしっかりと落とすことで、肌のストレスが続く状態を防ぎ、肌を解放させることは、スキンケアの中でも非常に重要な要素です。

夜の睡眠中に、肌本来の機能が十分に働く環境を整える

夜の睡眠中は、肌の排出機能や分泌機能が最も活発に働く時間帯です。この間に、汗腺から体内の老廃物が排出され、デトックスが行われます。また、皮脂腺から分泌される皮脂が肌表面を覆うことで、潤いを保ちながら外部の刺激から肌を保護します。これらの機能が十分に働くためには、汗腺や毛穴がメイク残りや汚れで塞がれないようにすることが重要です。そのため、夜のクレンジングと洗顔は、就寝前のスキンケアとして欠かせません。

また、夜のスキンケアでは、クレンジングと洗顔後に保湿ケアを行うのが一般的とされています。しかし、睡眠中の肌本来の働きを活かすことを考慮した場合、就寝前のケアをクレンジングと洗顔だけにとどめる方法がより効果的と考えられます。

このとき、アルカリタイプのクレンジング剤や洗顔料を使用することで、肌の「アルカリ中和能」という作用が刺激され、ターンオーバー(肌代謝)が促進される副次的な効果が期待できます。この作用により、肌のターンオーバーが安定し、健康的で若々しい美肌の維持に繋がります。

このような、就寝時の肌本来の働きを活かしたスキンケア法として、「夜だけ美容断食」と呼ばれるスキンケア法があります。ご興味のある方は、ぜひ、以下のページなどもご参照ください。
→ 与えないスキンケア:夜だけ美容断食とは

本来の排泄機能が働き、ターンオーバーとともに、老廃物を排出します化粧品の油や皮脂によりフタをされて、老廃物が溜まったままの状態に

朝晩のスキンケアにおすすめのクレンジング

まとめ:朝と夜のスキンケアに違いは?

これまで見てきたように、スキンケアの目的は朝と夜で異なります。朝は、睡眠中に分泌された汗や皮脂を洗い流して肌を清潔に保ち、保湿やUVケアで日中の外的刺激から肌を守る準備をすることが主な役割です。一方、夜は、メイクや汚れをしっかり落として肌を清潔に保ち、日中に受けたダメージを回復させる環境を整えることが重要です。特に、就寝前は肌の自然な働きを妨げないよう、クレンジングや洗顔で毛穴や汗腺まわりなど肌を清潔に保つことが重要です。また、アルカリ性タイプのクレンジングを使用すると、肌のターンオーバー(代謝)が促進され、サイクルが整う効果が期待できます。

朝と夜で異なるスキンケアの違いを知り、取り入れることで、健康で美しい肌を保つ助けとなるでしょう。

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