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お肌のはなし ~ 日焼けした肌のアフターケアでの大切なポイント ~

日焼け対策としてUVケアをしていても、日焼け止めの塗り直しができなかったり、予想外に長時間強い日差しの下にいることになると、完全に日焼けを防げないこともあります。そんな時に重要なのが、日焼け後のアフターケアです。日焼けした肌の状態は軽いやけどと同様の症状があり、ダメージが残ると肌の乾燥やしみ、しわなどの原因になります。ここでは、日焼け後のアフターケアでの重要なポイントについてご紹介します。

日焼け後のケアの重要性

日焼けとは、紫外線により受けたダメージが肌にはっきりと表れている状態です。日焼けの程度によっては軽いやけどと同じ状態でもあるため、放置せずに適切なケアを行うことが大切です。日焼け後のアフターケアを軽く考えると、肌内部にダメージが蓄積され将来的な肌トラブルの原因になる可能性があります。

日焼けの症状は軽いやけど状態。ほてり・赤み・ヒリヒリ痛むこともある

日焼けは、紫外線によって引き起こされる肌へのダメージで、場合によっては軽いやけどと同様の症状になります。日焼けの状態は2段階に分かれます。紫外線を浴びて肌がほてり、数時間後には肌が赤くなりヒリヒリして痛みを伴う状態をサンバーンといい、これは軽いやけどと同じような症状です。また、数日後に、過剰に生成されたメラニン色素が原因で肌が黒くなる状態はサンタンと呼ばれます。このように、日焼けには、直後に現れるサンバーンと、数日経過後に現れるサンタンの2つの状態があります。

紫外線を浴びた直後から数時間後に現れる、肌が赤くなる日焼け「サンバーン(sunburn)」

サンバーンは、紫外線を浴びた直後から数時間後に現れる、肌が赤くなる日焼けです。sunburn(sun:太陽 burn:燃える)という語源のイメージどおり、軽いやけどの状態で、肌に炎症が起こり、ヒリヒリとした痛みを伴います。重度の場合、水ぶくれができることもあります。炎症のピークは8〜24時間後で、2〜3日で治まりますが、範囲が広い場合や水ぶくれができた場合は、皮膚科を受診することが推奨されます。サンバーンは主に紫外線B波(UV-B)によって引き起こされます。紫外線B波による炎症の影響は、肌のターンオーバー(肌代謝)の乱れにもつながります。ターンオーバーが乱れがちになると、肌の急速に衰え始めますので、日焼け後のケアはエイジングケアという意味からも重要です。

紫外線を浴びて数日経過後に現れる、肌が黒くなる日焼け「サンタン(suntan)」

サンタンは、紫外線を浴びた数日後に肌が黒っぽくなる日焼けのことです。suntan(sun:太陽 tan:茶色)という語源からも色素の沈着がイメージできると思いますが、サンタンは、肌内部のメラノサイト(色素細胞)が活性化することでメラニン色素が過剰に生成され、その色素が沈着して起こる日焼けです。メラニン色素は肌の細胞を保護する役割を持つため、紫外線の刺激を受けると、肌を守るために大量に生成されます。このようにサンタンは肌の防御反応を原因とした日焼けであり、紫外線A波(UV-A)と紫外線B波(UV-B)のいずれもが原因となります。症状は数週間から数ヶ月続き、肌が乾燥して皮がむけることもあります。繰り返し紫外線を浴びると、シミの原因になるため、紫外線対策が重要です。

日焼け後のケアを怠ると、肌の衰えを加速させる要因に

日焼けの直後から数日間にわたって、肌はサンバーンとサンタンという二つの段階を経過します。サンバーンでは、やけどに似た炎症が起こり、サンタンではメラニン色素により肌が黒くなります。

しかし、日焼けの影響はこれだけに留まりません。日焼けによる肌ダメージは、皮膚細胞内のコラーゲンやエラスチンといった成分を変性させ、それらを生成する線維芽細胞を傷つけます。そのため、肌のハリや弾力が失われ、シワやたるみが進行します。また、線維芽細胞は保湿効果の高いヒアルロン酸も生成しているため、これが損傷すると肌の潤いが失われ、乾燥した肌になります。そして、肌のターンオーバー(肌代謝)も衰えます。ターンオーバーが衰えると、サンタン時に増えたメラニン色素が排出されにくくなり、肌の色が元に戻らず黒ずんだ状態が定着してしまいます。

このように日焼けによるダメージは皮膚内の細胞にも及び、この肌ダメージが長年にわたり蓄積されていくことで、確実に肌の老化の進行スピードを速めるのです。このような紫外線による老化現象は光老化と呼ばれ、加齢による自然老化とは区別されます。こうした光老化に対応するエイジングケアという側面を持つことからも、日焼け後の適切なケアは非常に重要なのです。

日焼けした肌の適切なアフターケアは

日焼け後のアフターケアでは、早期の対応が重要です。まずは肌を冷やして熱を取り除き、その後はしっかりと保湿を行います。間違ったケアは肌に負担をかける可能性があるため、慎重に行いましょう。日焼けによる肌の痛みや乾燥感がなくても、日焼け止めを塗らずに外出した場合は特に、帰宅後に丁寧なケアが必要です。

肌を冷やし、熱や炎症を抑える

日焼け後は、肌をしっかりと冷やすことが重要です。日焼け直後の肌は軽いやけどをした状態に似ているため、まずは冷却してほてりや炎症を和らげましょう。冷やす際には、濡れタオルや流水を使って肌に優しく冷却することが大切です。氷や保冷剤を使う場合は、タオルに包んで直接肌に当てないようにしましょう。流水や濡れタオルが使えない場所では、ミストタイプの化粧水などでクールダウンするのもおすすめです。また、冷却シートは日焼け直後の敏感な肌には刺激が強すぎることがあるため、肌が落ち着いてから使用するほうが良いでしょう。

  • 流水や濡れタオルで冷却する
  • 氷や保冷剤をタオルなどで包み、直接肌に当てないようにして冷やす
  • 流水や濡れタオルが用意できない場合は、ミストタイプの化粧水などでクールダウンする
  • 冷却シートの使用(肌が落ち着いてから)

保湿をしてうるおいを補う

日焼け後のアフターケアで、肌を冷やして熱を抑えた後には、保湿をして潤いを補うことが大切です。日焼けによる紫外線や炎症で角質層がダメージを受けると、肌のバリア機能が低下してしまいます。バリア機能が低下すると、紫外線だけでなく、乾燥や摩擦など様々な外部刺激に対して防御機能が弱まり、肌トラブルのリスクが高まります。日焼け後のケアでは、このバリア機能の低下を防ぐためにも、保湿をして肌の水分を補うことが重要です

日焼け後にやってはいけないNG行動

日焼け後のケアでは、いくつか避けるべき行動があります。まず、肌を叩いたりこすったりすることは、日焼けした敏感な肌には刺激が強く大きな負担となるため、炎症を悪化させる恐れがあります。そして、剥がれてくる皮を無理にむくと、未熟な肌を傷つけ、シミやそばかすの原因となるため、自然に剥がれるのを待ちましょう。さらに、日焼け後の肌に刺激の強い化粧品を使うことも避けるべきです。特にアルコールを含む製品には注意が必要です。また、シャワーの際は、顔に直接当てずに手で優しく洗うようにし、身体を流すときも熱いお湯は避け、ぬるま湯を使うように心掛けましょう。熱いシャワーは肌の乾燥を促進し、炎症を悪化させるため、控えるようにしましょう。

日焼け後のNG行動

  • 肌を叩く・こする
  • 剥がれてくる皮を無理にむく
  • 刺激の強い化粧品の使用
  • 熱いシャワー

日焼け対策は、アフターケアだけでなく、予防のためのUVケアも大事

日焼け後のケアは、まず肌を冷やし、その後、十分に保湿することが基本です。しかし、事前の予防ケアで肌のダメージを抑えておくと、アフターケアの効果がより高まります。

また、紫外線によるダメージは光老化と呼ばれ、肌の老化現象の一因となるため、UVケアは健康で美しい肌を保つために欠かせない基本的なスキンケアといえます。そのため、UVケアを日常のスキンケアの一部として取り入れ、日差しが強い時には帽子や日傘などを使って直射日光を避け、こまめに日焼け止めを塗り直すように心がけましょう。

UVケアについては、以下のコラム記事なども、ぜひご参考ください。
お肌のはなし ~紫外線対策で肌ダメージを最小限に!UVケアのポイントは?~

日焼けした肌のアフターケアでの大切なポイントのまとめ

日焼け後の肌のケアは、健康で美しい肌を保つために不可欠であり、怠ると肌に深刻な影響を及ぼします。日焼け直後の肌は軽いやけど状態に似ており、まずは肌を冷やし、その後しっかりと保湿することが大切です。

残ったダメージが蓄積されると、紫外線による「光老化」と呼ばれる肌の老化現象が進行し、肌のターンオーバーが低下するため、メラニン色素の排出が難しくなり、日焼けによる黒ずみが消えにくくなります。また、乾燥やシミ、しわなどの問題も深刻化します。

これらの問題を予防するためには、アフターケアだけでなく、事前のUVケアも欠かせません。日常のスキンケアにUVケアを取り入れ、日差しの強い時間帯には帽子や日傘を使用し、定期的に日焼け止めを塗り直すことなども心がけ、健康で美しい肌の維持を目指すようにしましょう。

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