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お肌のはなし ~ 整肌:お肌を整えるということ ~

整肌(お肌を整える)という言葉を聞いたとき、皆さんはどのようなイメージを持つでしょうか?このイメージは人それぞれであり、美容関連の企業によっても解釈に違いが見られることがあります。しかし、一般的には、整肌とは、肌に潤いを与え、その潤いを保つ保湿ケアを中心としたイメージが多いようです。ここでは、保湿ケアに限定せず、より広い視点で「肌を整えること」について解説して参ります。

整肌とは

整肌は「セイキ」と読み、一般的には保湿ケアを中心としたイメージがあります。しかし、「肌を整える」という本来の意味を考えると、見た目の一時的な美しさだけでなく、肌の健康を維持する視点もプラスするほうが自然です。肌の健康を考える際には、肌の代謝活動、つまりターンオーバーなどの肌が本来持つ働きが、さらに大切な要素になってきます。こうした要素を加味すると、整肌は、単なる保湿ケアだけにとどまらず、洗顔やクレンジング、UVケアなど、すべてのスキンケアを含む広い範囲に及ぶケアと捉えたほうが良いかもしれません。

一般的な意味での整肌

肌に潤いを与え、その潤いを保つ保湿ケアを中心としたケア

広い意味での整肌

見た目のケアだけでなく、健康的な肌本来の働きのサポートも加味されたケア。保湿ケアだけでなく、洗顔やクレンジング、UVケアなども含んだトータル的なスキンケア

ターンオーバーを整える

整肌を広い意味でとらえた場合、健康な肌を維持するためのケアが大切になってきます。肌の代謝活動(ターンオーバー)を安定させ、肌本来の力を引き出しやすくするケアも、その一部です。ターンオーバーが安定すると、新たに生まれる細胞のばらつきが減少するため、肌のキメが整いやすくなります。また、この過程で生成される天然保湿因子(NMF)の産生も安定し、潤いのある肌を維持しやすくなります。

肌のターンオーバーとは

肌のターンオーバーとは、簡単に言えば、肌細胞が新しく生まれ変わるプロセスのことです。肌の細胞は表皮の奥で生成され、時間が経つと徐々に肌の表面へと押し上げられます。最終的に、その細胞は寿命を迎え、垢となって剥がれ落ち、新しく生まれた細胞と入れ替わります。この一連の過程をターンオーバーサイクルと呼びますが、このサイクルは年齢とともに時間がかかるようになります。たとえば、20代では約28日で完了しますが、40代では約55日、60代になると約100日ほどかかるようになります。

ターンオーバーの乱れによる肌への影響?

ターンオーバーが乱れると、肌に、さまざまな影響が現れてきます。くすみやシミ、シワが目立ちやすくなり、急に老けた印象に見えるようになったり、乾燥やニキビといった肌悩みが増えたりと、その乱れは健康的な肌の美しさを損なう要因となります。

加齢とともにターンオーバーのサイクルが長くなることは避けられませんが、適切なケアを続けることで、ターンオーバーの働きを「鈍らせず」「不規則にならない」ように保つことができれば、健康で若々しい肌を長く維持することが可能になります。

ターンオーバーの働きが鈍くなると

ターンオーバーの働きが鈍くなると、新しい肌細胞を生み出す力が衰え、そのサイクルがさらに長くなる悪循環に陥ります。これにより、古く年老いた細胞が長く肌に留まり、老けた印象を強めると同時に、ターンオーバーの過程で排出されていたメラニン色素が体外に排出されにくくなり、体内に残って沈着するため、シミが目立つ原因にもなります。

ターンオーバーの働きが不規則になると

ターンオーバーの働きは鈍くなるだけでなく、紫外線や摩擦などの外的刺激によって一時的に早まることもあり、その結果、不規則になることもあります。また、肌の部位によってターンオーバーのサイクルに差が生じることもあります。例えば、ターンオーバーが早すぎる部位では、未成熟な細胞が成長しきらないうちに肌表面に押し上げられるため、保水機能やバリア機能が十分に働かず、乾燥しやすくハリのない肌になります。一方で、ターンオーバーが遅れている部位では、衰えた細胞が肌表面に残り続けてしまう状態になります。このようになると、肌のキメも不均一になり、ゴワついて見える印象になります。キメが細かく整ったスベスベした肌を保つためにも、ターンオーバーが安定していることが欠かせないのです。

肌のターンオーバーを整えるためのスキンケアのポイント

整肌を広い視点で捉え、健全なターンオーバーを目指す際に特に重要なのは、洗顔・クレンジングと保湿ケアおよびUVケアです。洗顔・クレンジングでは、その際に肌に本来備わっているアルカリ中和能という作用が、ターンオーバーを程よく刺激する重要な働きをします。また、肌の乾燥や、紫外線による刺激も、肌のバリア機能を低下させ、ターンオーバーのサイクルの乱れにつながる原因の一つでもあるため、保湿ケアとUVケアも欠かせません。

洗顔・クレンジングによる整肌

健康な肌では、「アルカリ中和能」と呼ばれる、肌が一時的にアルカリ性に傾いた際に弱酸性に戻そうとする力が働きます。この働きは、弱アルカリタイプの洗顔料やクレンジングなどで、洗顔したときに作用します。肌は、アルカリを中和するために酸性物質を生成し分泌しますが、このプロセスにおける肌の活動が、肌の代謝(ターンオーバー)を刺激し活発化させることにもつながっているのです。なお、効果的にこの機能を引き出すためには、使用する洗顔料やクレンジングが弱アルカリ性である必要があり、石鹸などがその代表です。

肌に備わっている働き「アルカリ中和能」について、より詳しく知りたい方は、以下のコラムもご参考ください。
お肌のはなし ~スキンケアアイテムの弱酸性と弱アルカリ性について~

洗顔・クレンジングにより、肌本来の力を引き出すスキンケア法

肌には、アルカリ中和能以外にもさまざまな機能が備わっています。例えば、体内の不要な老廃物を汗と共に排出して健康を保つデトックス機能や、皮脂腺から皮脂を分泌して肌表面に潤いを与え、紫外線や外部刺激から肌を守る機能などです。これらの機能を最大限に発揮させるためには、肌環境を整えることが重要です。この考え方を基にしたスキンケア法に「夜だけ美容断食」と呼ばれるスキンケア法があります。

「夜だけ美容断食」の特徴は、夜の睡眠中に肌を完全に解放することです。もし、洗顔やクレンジングが不十分で、日中に肌に残った汚れやメイクがきちんと落とせていない場合、汗腺や皮脂腺が塞がれたままになり、肌の働きを妨げてしまいます。そのため、このスキンケア法では、就寝前の洗顔とクレンジングを重要なスキンケアとして位置づけています。

肌本来の働きを活かすスキンケア法「夜だけ美容断食」については、以下のページをご参考ください。
https://e-s.st/page/biyoudanjiki.php

保湿ケアによる整肌

一般的に、整肌は肌に潤いを与え、その潤いを保つ保湿ケアのイメージが強く、肌の適切な保湿は、健康な美肌を維持するための非常に重要なケアです。肌の乾燥は、バリア機能の低下を招きます。肌表面の角質層は、外部からの刺激や水分の蒸発を防ぐバリアとして機能していますが、保湿を怠ると、この角質層が乾燥してしまい、バリア機能が弱まります。その結果、ターンオーバーが乱れやすくなるのです。ターンオーバーが乱れると、その過程で生成される天然保湿因子(NMF)が産生されにくくなるため、さらに乾燥が進むという悪循環に陥ります。このように、保湿ケアはターンオーバーを安定させるためにも非常に重要であり、重要な整肌ケアです。

UVケアによる整肌

整肌を広い意味で考える場合、UVケアも非常に重要なケアとなります。過度に紫外線を浴びることは、肌に深刻なダメージを与え、バリア機能の低下をもたらします。紫外線は肌に炎症を引き起こし、日焼けやシミ、そばかすの原因となるだけでなく、肌の老化(シワやたるみ)を促進します。また、紫外線は活性酸素の生成を増加させ、肌細胞に酸化ダメージを与え、さらにバリア機能を弱くします。その結果、ターンオーバーが乱れへにも繋がります。このような理由からも、整肌を広く捉えた際には、UVケアは非常に重要なケアであると言えるでしょう。

「お肌を整えることについて」のまとめ

整肌(お肌を整える)というと、一般的には保湿ケアを通じて肌に潤いを与え、その潤いを維持することが重要とされていますが、広い視点で考えると、健康で美しい肌を保つための総合的なケアと捉えることができます。したがって、保湿ケアだけでなく、洗顔やクレンジング、UVケアも含め、適切なケアを行うことが、最も大切なポイントです。

UVケアにより、肌トラブルを未然に防ぎ、洗顔とクレンジングによって肌が本来の機能を発揮できる環境を整え、保湿ケアで見た目にも美しい潤いのある肌をサポートする。こうした総合的で適切なケアにより、肌の本来の機能が損なわれることなく、健康で美しい肌を長く維持することが可能となります。

以上、広い意味での整肌についてご参考になりましたでしょうか?ぜひ、日々のお肌の整えにお役立てください。

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